歯みがき教室~幼児の歯の磨き方~
「8020運動」をご存知ですか? 80歳になっても自分の歯を20本以上保とう、というものです。生涯にわたり自分の歯で食事できれば、食べ物をおいしく味わえ、健康で生き生きと生活を送ることができます。
健康な歯は、一朝一夕に作れるものではありません。いなげ矯正歯科医院では、歯が生え、ミルクから食事へと切り替わり始める1歳半頃からの歯みがきをおすすめしています。乳児期に、うがいや歯みがきの基本を身に付けることが、歯周病予防、健康な歯づくりへとつながります。 歯に良いことはもちろん、良い生活習慣を養うことにもなります。
ひとりで歯をみがけるようになるまでは、 お父さんやお母さんとお子さんとのチームプレイになります。 まず、ご両親が正しい歯のみがき方を覚えて、 お子さんの歯を守ってあげてください。
むし歯になりやすい場所
むし歯になりやすい場所とは、「むし歯菌」が繁殖しやすい場所のことです。「むし歯菌」は糖質を栄養にして、ねばねばした物質をつくり、食べかすとともに歯垢(しこう=プラーク)になります。その中でむし歯菌が増えて酸を作り、 硬い歯の表面のエナメル質をも溶かします。これがむし歯になるのです。
むし歯になりやすい場所は、より丁寧にみがくように意識しましょう。
幼児の正しい歯のみがき方
歯みがきの姿勢
お宅では、どのような体勢で歯みがきをしていますか?
幼児の歯みがきには、寝かせみがき、座りみがき、立ちみがきと、3つの姿勢があります。どれが一番良いということはありません。お子さまがリラックスできる姿勢を取るのがよいでしょう。
また、ときどきお子さまに歯ブラシを持たせて、歯みがきに慣らさせるといいでしょう。
歯ブラシの正しい当て方
磨いているかより、磨けているかがポイントです。
歯ブラシを正しく当てて軽く押し付けてください。その場所で前後に数ミリ、10回ほど動かしてください。
歯ブラシ選びも大切です
いなげ矯正歯科医院では、ヘッドが小ぶりでお子さんの小さなお口も隅々まで磨きやすい歯ブラシをお勧めしています。お求めの際は受付にお声をかけください。
▲1本 110円(ピンク / 黄色 / 黄緑色 / 水色)
実例・幼児の歯みがき
稲毛院長が実践した幼児の歯みがき
歯みがきの姿勢、歯ブラシの当て方をご覧いただきましたが、次は具体例として、稲毛家の幼児の歯のみがき方をご紹介します。
歯みがきの姿勢は、先述のとおり、どの姿勢でもかまいません。お子さんがもっともリラックスできる姿勢で行いましょう。稲毛家では寝かせ磨きです。手におもちゃなど持たせてリラックスさせます。
歯ブラシを正しく当てて軽く押し付け、その場で前後に数ミリ、10回ほど動かします。極端にいうと、ブラシを固定して振動させる感じです。
この時のブラシの圧力は100~150gです。
「100~150gの力」と言ってもピンと来ない方も多いのではないでしょうか。ご自宅にキッチンスケールなどがあれば、これを使って力加減を確認できます。キッチンスケールに歯ブラシを押し当て、100~150gになるように力を加えてみましょう。力加減を確認して、その感覚を覚えておきましょう。
みがく順番を決めてみがき残しを防ぎましょう
歯みがきで大切なことは、歯をみがく順番を決めてみがくことです。
順番を決めずにアチコチの歯をみがくことは、みがき残しを出す原因となるのでお勧めできません。
右の図は、稲毛家で実践していた仕上げみがきをするときの順番です。どうぞ参考にしてください。
写真で見る幼児の歯みがき
稲毛家の歯みがきの様子を、上図で示した歯をみがく順番に沿ってご紹介します。
ここで特に注意深く見ていただきたいのが、歯ブラシの持ち方や当て方、唇の押さえ方などです。写真をクリックすると大きな写真をご覧いただけますので、よく見て、お子さんの歯みがきに取り入れてください。
1乳歯の奥歯の奥の面
磨き順 1、6、11、16は、奥歯のさらに奥の面です。下顎、上顎どちらも歯ブラシが届きにくく磨き残しの多い場所です。歯ブラシを立て、ブラシの先端が歯と歯ぐきの境目に当たるように磨きましょう。
2下顎右側 乳歯の奥歯の物を噛む面
奥歯の咬み合わせをみがく時は、溝に毛先を直角に当てて、細かく動かします。
3下顎右側 乳歯の奥歯の外側の面
4前歯の表側の面 右奥から前歯へ→前歯から左奥へ
前歯の表側をみがく時は、歯の裏面に毛先を直角に当てて、軽く横にシャカシャカと動かします。親の指の位置に注目してください。
5下顎左側 乳歯の奥歯の外側の面
7下顎左側 乳歯の奥歯の物を噛む面
奥歯の咬み合わせをみがく時は、溝に毛先を直角に当てて、細かく動かします。
8下顎左側 乳歯の奥歯の内側の面
9下顎前歯 裏側の面左奥から前歯へ→前歯から右奥へ
前歯の裏側をみがく時は、歯ブラシを縦に入れ、かき出すように動かします。
10下顎右側 乳歯の奥歯の内側の面
12上顎右側 乳歯の奥歯の物を噛む面
奥歯の咬み合わせをみがく時は、溝に毛先を直角に当てて、細かく動かします。
13上顎右側 乳歯の奥歯の外側の面
14上顎前歯 表側の面右奥から前歯へ→前歯から左奥へ
前歯の表側をみがく時は、歯の裏面に毛先を直角に当てて、軽く横にシャカシャカと動かします。親の指の位置に注目してください。
17上顎左側 乳歯の奥歯の物を噛む面
奥歯の咬み合わせをみがく時は、溝に毛先を直角に当てて、細かく動かします。
18上顎左側 乳歯の奥歯の内側の面
19上顎前歯 裏側の面左奥から前歯へ→前歯から右奥へ
前歯の裏側をみがく時は、歯ブラシを縦に入れ、かき出すように動かします。
20上顎右側 乳歯の奥歯の内側の面
歯をみがく順番のイラストと、写真で見る幼児の歯みがきを印刷なさる場合は、以下のPDFファイルをご利用ください。