まず、外科手術を併用する矯正歯科治療についての概略を説明します。

レントゲン写真を解析したり、咬み合せの模型を分析して、 外科手術が必要かどうかの検査をします。

検査の結果に応じて外科手術のシュミレーション模型を製作して、 治療の計画を立てその内容を説明します。

あごのズレによって動いていた歯をマルチブラケット法を用いて 本来あるべき位置に戻して並べ、 手術が済んだ時点で上下の歯がきっちり咬み合うようにしておきます。

外科手術は、連携病院と密に連絡しながら連携病院に入院して行われます。

退院後、歯の位置の微調整をして咬み合せ安定を図ります。

リテーナを用いて、骨や歯茎、頬、唇、舌などが、 治療後の歯並びや顎の位置になじむのを待つ時期です。

 

矯正歯科治療について

 

顎変形症について

顎の大きさや位置の著しいズレは
矯正歯科治療だけでは治せません

顎の外科手術を併用する矯正歯科治療は顎口腔機能診断施設でしか受けられません。 当院はその資格を有する矯正歯科医院です。

▼ 正しい顎の状態

▼ 大きさや位置がズレた状態

非対称
上顎の前突
下顎の後退
上顎の後退
下顎の前突

長い

短い

上顎と下顎の大きさや位置が大きくズレていると、上下の歯がうまく咬み合わず、顔の形も歪みます。 ある程度のズレは歯の位置で補正できますが、顎のズレが非常に大きい場合、 歯の矯正歯科治療だけでは咬み合わせを治すことができません。


このような場合、外科手術によって骨をバランスのよい位置に動かします。 ですが、顎の骨を動かしただけでは上下の歯はきちんと咬み合わないので 矯正歯科治療も受けなければなりません。


このように、矯正歯科治療単独ではなく、 外科手術を併用して咬み合わせを改善する不正咬合を 顎変形症(がくへんけいしょう)といいます。

・・・ですが、外科手術だけでも治せません

人間の体は、どこかが悪いと他の部分がそれを補うように働きます。 上下の顎がズレている場合、歯が顎のズレを補正して、できるだけ噛める位置に自然に動いています。


この歯をそのままにして手術だけ受けると、上下の歯の咬み合わせが安定しないため、 どこで噛んでよいか分からない状態になります。すると、顎の位置が不安定になり、 せっかく手術で正しくなった顎の位置が再びズレてくることになります。 治療後の状態を安定したものにするためには、矯正歯科治療が必要です。


つまり、顎変形症の治療には、外科手術と矯正歯科治療の双方が不可欠なのです。


治療の流れ

▼項目の上にマウスを重ねると、解説文をご覧いただけます。
初診
検査
診断
連携病院にて受診
術前治療
連携病院と相談
手術
術後治療
保定

連携病院

北里大学病院横浜市立大学附属 市民総合医療センター
神奈川県立こども医療センター東京医科歯科大学歯学部附属病院
東京大学医学部附属病院横浜総合病院横浜労災病院
済生会横浜市南部病院


費用・期間など

矯正料金

顎の手術を併用する矯正歯科治療には、健康保険が適用されます。


矯正装置

顎の手術を併用する矯正歯科治療でも矯正装置は、一般の矯正歯科治療とまったく同じです。


治療期間

手術前矯正歯科治療・手術・手術後矯正歯科治療の合計の期間は、 患者さんの歯並びの状態によって違いますが、およそ1年〜3年です。 その間矯正歯科治療に通うのは、1ヶ月に一度ほどです。


手術時期

手術は顎の成長が終了してから行ないます。 手術をしても、上下の顎のアンバランスな成長が起きて、咬み合わせが再び悪くなる可能性があるからです。 顎の成長を終える時期は、男性18歳、女性16歳以降がおよその目安です。 ただし、ある日突然『成長が終わったのですぐ手術してください』と希望されても、それはできません。 手術前の矯正歯科治療(手術前矯正治療)が必要です。


治療例

下の写真は、前歯の開咬と下顎の前突に悩まれて来院された患者さんの 初診相談時および保定を始め1年6ヶ月が経過した時の状態です。
この患者さんは、当院で外科手術を伴う矯正歯科治療をお受けになりました。 矯正歯科治療体験談にて、顎変形症の検査内容や治療過程をご覧いただけます。


▼初診相談時 ▼保定開始後1年6ヶ月
初診時 初診時 保定中 保定中

心構え

顎の骨を切るというと、顔に傷がつくのでは? と心配される方が多いのですが、 口の中からする手術がほとんどですから、顔に目立つ傷が残ることはまずありません。 基本的には、危険性の少ない手術といえるでしょう。


とはいっても、どんな手術にもリスクはあります。また、入院に必要な時間や費用など、 負担も少なくありません。外科手術を選択するか否かは、じっくり検討してから決めて下さい。


希望や問題点を、機能・外見の両面からきちんと整理し、 手術を選択した場合のメリットとデメリット、具体的な手術の方法やリスクなどについて、 口腔・形成外科、矯正歯科医の両方から十分に説明を聞いてください。 そして、慎重に判断・納得した上で決定する必要があると思います。

休診日

=休診日